はじめに
「Power Appsって何ができるの?」、「Excel管理から脱却したいが、どこまで対応できるのか分からない」、「Power Appsで業務アプリを作れると聞いたけれど、本当に実務で使えるの?」このような疑問をお持ちの方は非常に多いはずです。弊社のお客様からも同様の質問を受けることがあります。
その様な疑問に対して、
この記事では、実際の業務シーンを想定した具体例を交えながら、 Power Appsで“できること・できないこと”を分かりやすく解説します。
Power Appsとは?簡単におさらい
Power Appsは、Microsoftが提供する「業務アプリを簡単に作れるローコードツール」で次のような特徴をもっています。
- ExcelやSharePoint、Power Platformの各ツールとの連携
- アプリケーション開発に専門的なプログラミングの知識は不要
- Microsoft 365の各種ツールとの高い親和性
なお、経営層からの視点としては、現場主導で業務改善を進められる点が最大の特徴です。
Power Appsの機能
Power Appsの機能概要図は、下図の通りに表すことができます。
Power Appsのライセンスを取得すると、データの入出力画面やアクセス管理、データベース、大量データの一括処理などの機能を利用できるようになります。一方で、1件1件のデータに対する様々な処理や自動処理はPower Automateというツールを利用して実行します。
Power Appsでできること
このような特徴や機能を持っているPower Appsですが、組織内の課題解決や機能的な視点としては、次のようなことができるようになります。
① Excel管理からの脱却
- データの入力ミスの防止
- 同時編集によるデータ破損の防止
- データの検索や絞り込み、必要なデータの抽出
② 業務アプリ開発の内製化
次の様なアプリケーション開発を自社内で開発
- 申請・承認フロー
- 顧客・案件管理
- 問い合わせ管理
③ Power Automateとの連携による自動処理
- 通知メールなどの自動送信
- Teamsへの自動投稿
- Excel / SharePoint に保存されているファイルやデータの自動更新
④ モバイル対応
- スマホ・タブレット画面の自動作成
- 外出先からのアプリケーション利用
- お客様向けの簡易なUI開発
Power Appsが苦手なこと
一方で、Power Appsは、次のような事を必要とするアプリケーションやシステムには向いていません。
① 大規模基幹システムの代替や複雑なデータ処理
金融機関などでリアルタイムに大量のデータ処理を行うようなシステムや会計の仕分け処理など複雑な計算処理などを行う必要があるシステム
② 高度なUI・デザイン
デザイン性豊かなWebサイトやWebサービスのように自由なUI設計が求められるシステム
③ 完全オフライン利用
Power Appsはクラウドサービスであるためインターネット接続が必須でオフラインで利用することは出来ません
具体的なアプリケーション例
Power Appsを活用したアプリケーションとして、具体的に次のようなアプリケーションを開発することができます。
実例①:営業管理アプリ(Excel管理から脱却)
営業担当者が、担当顧客ごとの営業活動の状況をExcelファイルで管理している場合、各担当者の活動状況が共有されず、次のような課題に直面します。
課題
- 顧客からの問い合わせに的確に対応できない
- 営業活動のノウハウが俗人化する
- 営業活動の進捗状況の確認に時間がかかる
- 売上見込みの数値管理が困難になる
この様な状況や課題に対して、Power Appsで次の様な営業管理アプリケーションを開発できます。
Power Appsでの営業管理アプリケーション例
- PCやスマホ、タブレットから定型フォームに営業活動状況を入力
- 入力された活動状況を組織内で共有
- 営業ステータスに応じた顧客へのDM自動送信(Power Automate連携)
- 契約通知や契約更新案内、契約書や請求書など、ステータス変更で自動メール送信(Power Automate連携)
- 売上、売上見込みなどの、定期的な自動集計
この様なアプリケーションをPower Appsで開発することで次の様な効果を得ることができます。
効果
- 営業活動の進捗確認時間を約70%削減
- アプリ内のデータを確認することで、営業会議の資料作成が不要
- 営業活動状況や売上・売上見込みの集計などについて、入力ミス・二重管理が激減
実例②:現場点検・写真報告アプリ
建築や土木、様々な工事現場などで、進捗状況や現場の対応状況などを写真付きの報告書で報告する業務においては、次のような課題を抱えています。
課題
- 現場写真を撮影しメールで送信するが、メールが埋もれたり誤送信が発生したりする
- メールから写真をPCにいったん保存し報告書へ添付するなど、報告書作成に時間がかかる
- Wordファイルなどで管理している報告書の過去履歴を探すのが大変
この様な状況や課題に対して、Power Appsで次の様な現場点検・写真報告アプリケーションを開発できます。
Power Appsでの現場点検・写真報告アプリケーション例
- スマホやタブレットで写真撮影し自動保存
- スマホやタブレットの報告アプリの画面に報告に必要な内容をタップ入力し保存
- 報告書が保存されたことを関係各所へ自動通知(Power Automate連携)
- 報告書の内容はデータベースに蓄積し、組織内で共有
- 現場の進捗状況や定期的な報告書・レポートなどを自動生成(Power Automate連携)
この様なアプリケーションをPower Appsで開発することで次の様な効果を得ることができます。
効果
- 報告作業時間が大幅に削減され、半分以下になった
- 写真とデータが一元管理され、直ぐに履歴の確認や検索ができるようになった
- 定期的な報告書やレポートの作成時間が大幅に削減された
Power Appsでのアプリ開発のポイント
上記の通りPower Appsで日常的な業務をシステム化することで、業務効率や生産性を向上させることができますが、Power Appsで開発するアプリケーションは、後々、他のシステムと連携させたり、データを他のシステムに投入したりなど、組織内で広範囲に活用することが想定されます。
そのため、Power Appsでのアプリケーション開発については、次の事に注意して開発を進めることが重要です。
- 最初から複雑に作りすぎないこと
- Power Appsで開発するアプリケーションは、現場の細やかな業務シーンで利用されることが多くなるはずです。現場業務は、一つの業務でも担当者ごとに仕事の仕方が異なったりしますので、最初から複雑なアプリを開発するのではなく、シンプルなアプリを開発し、各担当者に使っていただきながら意見を集約し、改良を重ねていくことが重要です。
- 最初に 業務を整理して開発を始めること
- 関連業務を含め、まず、業務や作業の内容を整理し、その内容に応じたアプリケーションを開発することが重要です。整理せずに開発されたアプリケーションは、現場で使われなくなったり、修正が多くなったりします。
- アプリ開発を進めることを現場担当者に説明して進めること
- 現場の業務担当者に、業務をシステム化することを説明せずにアプリケーション開発を進めると、「なぜ説明なしにシステム化したのか?」など、現場から抵抗を受けることがあります。アプリ開発は、最初の段階で現場担当者に説明しながら進めることが重要です。
まずはご相談を
Power Appsでのアプリ開発は、「いきなり完璧」を目指す必要はありません。
まずは小さな業務改善から始めることが成功への近道です。
CIOコネクティッドでは、Power Appsでのアプリ開発に関する無料相談を行っています。
「システム化を検討している業務に合うのか?」など、お気軽にご相談ください。




