はじめに


Microsoft Accessについて、「データが増えて遅くなってきた」、「同時に利用する人数が増えてきて、頻繁にデータが壊れたりエラーになったりする」、「開発担当者が不在になってメンテナンスができない」といった悩みを抱える組織は多いはずです。

その様な悩みに対して、この記事では、AccessからPower Appsへ移行すべき企業・やめた方がいい企業を明確に整理し、 判断に迷わないための視点を分かりやすく解説します。

AccessとPower Appsの仕組みの違い

AccessからPower Appsへ移行するかどうかの判断をするにおいて、それぞれのツールの仕組みを理解しておく必要があります。各ツールの仕組みは、次の通りです。

Lamp Lamp

Accessの仕組み

Accessは、複数の担当者で利用する場合、右図の様に共有フォルダーに保存されているAccessのファイルを共有し利用します。また、Accessは、ExcelやWordのように、1つのファイルとして保存されています。

その仕組み上、次のような特徴があります。

  • 基本的に個人で利用することが想定されている
  • ファイルサイズの上限が2GByteとなっている
  • 複数の利用者で同時利用する場合のデータ管理の仕組みが限定的
Access

Lamp Lamp

Power Appsの仕組み

Power Appsは、右図の様にクラウド上に存在しているDataverseと呼ばれるデータベースに保存されているデータを操作する仕組みになっています。

Dataverseには、「誰にデータのアクセスを許すのか?」などを管理するアクセス管理の機能や「どのデータを最新版として保存するのか?」などを管理するデータ管理の機能などを持っています。

その仕組み上、次のような特徴があります。

  • 複数の利用者で同時に利用されることが想定されている
  • データの容量に制限は無く2GByte以上のデータも管理できる(ライセンスの追加が必要)
  • データのアクセスにはインターネットへの接続環境が必要
Power Apps

Accessの限界

上記の様なAccessの仕組み上、Accessは同時利用者が増えると動作が不安定になったり、ファイルが破損してしまうリスクが高くなったりします。
また、AccessファイルをPCに保存して利用したり共有フォルダーに保存されているAccessファイルを利用することから、リモートワークとの相性も悪く、外出先などから利用する場合は、ネットワークにVPNと呼ばれる特別な仕組みを導入する必要があります。
カスタマイズについても、Excelマクロの様な仕組みでプログラミングすることになるため、属人化しやすく引き継ぎが困難になることがあります。

AccessでできることはPower Appsでもできるのか?

AccessからPower Appsへの移行を検討する際に気になるのは、「AccessでできていたことをPower Appsでも全てできるのか?」という点です。

Power Appsは、それ単体での利用だけでなく、他の様々なツールと連携させながら活用することが出来るので、Power Apps単体では難しいことも他のツールとの連携によって様々なことが出来るようになります。

Accessとの比較としては例えば次の通りです。

  • 次の様な画面の見た目や入力制御などについてはプログラミングすることなく出来ます
    • 画面に表示する項目の並び替え、タブやセクション追加
    • 項目に対する必須・読み取り専用・表示/非表示などの設定
    • 入力内容のチェックや値の自動値設定
    • データの一覧画面に表示する列の設定やフィルタ、並び替え
  • 次の様な内容はプログラミングで実現します
    • 入力に応じた自動計算、警告表示、項目のロックなど
    • 商品名を入力すると価格や仕入れ値などの項目を自動入力するなど、入力値に応じた他の項目の自動セット
  • 次の様な内容はPower Automateとの連携によってプログラミングすることなく実現します
    • データの作成/更新時に承認フローを起動する
    • 電子メールやTeamsなどに自動で通知を送信する
    • 請求書や納品書など様々な様式の書面をPDFやWordで自動生成する
    • 他のシステムからデータを取り込んだり、入力された値に応じて他のシステムへデータを送信する

AccessからPower Appsへの移行のポイント

以上の様なことから、AccessからPower Appsへの移行については、次の事を考慮して検討する必要があります。

Power Appsに移行すべき企業

次のような企業は、積極的にAccessからPower Appsへの移行を検討した方が良いといえます。

  • 複数人で同時にデータを扱う必要がある
  • Accessで扱っているデータの容量が2GByteを超える可能性がある
  • 在宅勤務や外出先からもアプリケーションを利用したい
  • Excel管理が煩雑になってきている
  • 将来的に業務を拡張したり、他のシステムとの連携を考えている
  • Microsoft 365 をすでに利用している

Power Appsへの移行をおすすめしない企業

一方で、次のような企業は、Power Appsへ移行するかどうか慎重に検討する必要があると言えます。

  • 完全オフライン環境でのみ使用する
  • 単純な個人用データのみを管理している
  • ITリテラシーが極端に低くアクセス管理など運用体制がない

まずはご相談を

上記の通り、AccessからPower Appsへの移行は、仕組みや機能の違いなどから簡単に実行できることではありません。

「移行の目的は何か?」、「Power Appsへ移行すべきか?」、「移行に最適なツールは何か?」、「移行の手順はどの様に進めればよいか?」など、様々なことを検討して進める必要があります。

CIOコネクティッドでは、AccessからPower Appsやその他ツールへの移行に関する無料相談を行っています。
Accessの運用についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。